リサ・ラーソンの陶器作品が欲しいけど、作品が膨大で、どれを買っていいのか迷っちゃう。そんなあなたのための「MY FIRST Lisa Larson」です!
リサ・ラーソンの本業は?マイキーの作者だからイラストレーターかしら?って思ってる方いらっしゃいませんか?リサの本業は陶芸!北欧を代表する陶芸作家なのです。その作品は全体では300とも500以上とも言われ、50年代から現在まで制作され続けているロングセラーも数多く存在します。とにかく作品が膨大なので、これからリサの作品を集めようという方にはわかりにくいのも事実です。そこで今回は、初めてリサの陶器作品を購入する方のためのガイドとなるような特集を作りました。ビギナーさんにとっては、お友だちの体験談を聞くみたいに、エキスパートさんにとっては、あの頃を思い出すアルバムみたいに使ってくれたら嬉しい!きっと、リサの陶器の新たな魅力に出会えるはずです。秘密の旅行ガイドを手にした気分で、さあ、リサ・ラーソンという旅に出かけましょう!
About Lisa Larson
Profile
スウェーデンの陶芸家。現在90歳。大学卒業後、スウェーデン最大の陶芸製作会社であったグスタフスベリ社に入社。動物シリーズをはじめとした作品を生み出し、スウェーデンを代表する陶芸デザイナーとして一躍人気に。1979年に退社後、フリーデザイナーとして活躍、1992年にKeramik Studion(ケラミックスタジオ)を設立。素朴で温かみのある表情豊かな陶器は、スウェーデンや日本のみならず、世界中で数多くのファンに愛されています。
自然体の制作活動
「リサのサマーハウスにお邪魔したとき、2階の小さな机で作業しているリサを見ました。窓から優しい光がさしていて、 手の中の小さいネコを優しく包むように、陶器のカタチを整えていました。その光景がとても穏やかで優しくて、印象に残っています。」(トンカチのスタッフより)
共同作業のリーダーとしてのリサ
リサは、私が他の作家と違うところは、職人が作りやすいように量産方法を考えて陶器をデザインできるところだ。と、自負しています。リサはスウェーデン陶芸の黄金期を築いたグスタフスベリ社の看板アーチストだったので、陶器の製造工程について知り尽くしているのです。
陶器が生まれて届くまで
アイデアを形にする
土を触ると落ち着くの、と彼女は言います。リサは全ての陶器の原型を今も自分自身で作ります。原型が出来上がると、型職人が生産のための型を作成します。リサは型職人に具体的に指示を出して完成させていきます。とにかくリサの指示はいつも具体的です。その後、リサの手を一旦離れて量産に入ります。量産と言っても型を使う以外1つ1つが手仕事です。型自体も1つの型の耐久性には限度があるので常に作り直すことになります。
信頼する職人と作る
スウェーデン産のリサの作品は、全てケラミックスタジオで作られています。このスタジオは、グスタフスベリ社から独立したリサ・ラーソンが、2人のアシスタントと1992年に設立しました(現在はリサは経営からは離れ、2代目のオーナーが切り盛りしています)。熟練した職人のチームによって、リサ・ラーソンの作品の良さを保ちながら、クオリティと伝統的手法を維持しながら生産しています。
そして日本へ
完成した陶器は、検品され、日本に向けて出荷されます。トンカチの倉庫に入った陶器はそこでスタッフの歓声とともに迎え入れられ、割れたり、傷がついていないかをチェックされます。この時、必ず破損しているものが見つかりますが、それは陶器という割れ物の運命とも言えます。この長い航海を経て、無事に日本まで届いた幸運な陶器たちだけが、日本のみなさまのお手元に届けられます。
LINE UP
こんな思いでオススメします!
今回は、これだけは外せないというリサ・ラーソンを代表する作品群に加え、テーブルにちょこんと置ける「どこでも陶器」や、手軽に陶器を楽しんでもらえるように、手のひらにおさまるサイズのものを中心にピックアップしました。「リサ・ラーソンの初めての陶器」との出会いをお楽しみください。
はじまりの、ハリネズミ
リサ・ラーソンとトンカチのルーツとなるのが、このトンカチプロデュースの「ハリネズミ」。これがなければ、マイキーも生まれなかったし、日本でのリサ・ラーソンの展開はなかったはず。「ハリネズミ3兄弟」は、全世界で日本だけの特別な陶器です。
HOW TO MAKE
ハリネズミができるまで
1.これが全ての原型。型をつくる前のオリジナルです。 2.型に原料を入れる。しばらく待つ。 3.少し待った後に、ぎゅっぎゅっと押し込む。 4.ぱかっと開くと、もう形が出来ています。 5.繋ぎ目をきれいにします。 6.足が平らになるように、足元を滑らせて削ります。 7.1個1個、丁寧に釉薬を塗っています。 8.自然な風合いが出るように1個1個釉薬をこすります。 9.筆で顔を描きます。 10.釜で焼きます。もうすぐ完成! 11.焼き上がり。少し凛々しく見えます。 12.出荷されるのを待っているところです。
ライオンは、はずせない!
リサ・ラーソンの、そして世界の傑作「ライオン」。1964年にデザインされたAFRICA(アフリカ)シリーズ。コロンとした丸いフォルムが特徴で、優しい目と微笑む口、子どもから大人まで、見るだけで優しい気持ちになれるライオンさん、これだけは外せません!
Episode from Tonkachi
私にとって初めてのリサ・ラーソンは、誕生日プレゼントにもらったライオンです。リサさんの陶器について話すときには、必ずライオンの話をするのですが、カタチの凄さを説明するたびに、毎回自分が感動してウルっとなります。ライオンの後ろ足は、お尻と一体になっていてありません。リサさんにとっては、後ろ足があるとかないとか関係ないところが面白いです。でも、これは紛れもないライオンで、このライオンを見て、私は初めてライオンという動物の心を見たと思いました。
お茶の間の、3匹のねずみ!
テレビで紹介されて以来、大人気の「3匹のねずみ」。テーブルにちょこんと置くだけで華やぐかわいさ。その姿は「いらっしゃいませ」と言っているようにも見えてきます。両手で包み込むように持ってあげると、優しい気持ちになれますよ。
猫の代表作、ミア
1965年のSTORA ZOOシリーズKatt(Mia)の復刻版「ミア」。バリエーション豊富な人気のシリーズです。ミア ミニは、お手頃サイズで、オリジナルカラーのブラウン・グレー・ブラック・ホワイトの4色に加えて、特に人気なのがミア ミニのゴールドシリーズ。繊細なゴールドの釉薬で、ドレスアップされています。
Episode from Tonkachi
子どもの頃からお母さんがミアのミディアムグレーを持っていました。いつも棚の1番上にあって、「陶器だから、触っちゃだめ!」とよく言われました。未だに家にあって、お守りみたいな存在になっている。すごいと思ったのが、お母さんは何十年も前に買っていたのに、2020年の今も人気だということ。そして今や僕はそれを扱っているんですよ!奇跡!(ニュージーランド出身)
花を着る花瓶、ワードローブ
1990年代に作られた花瓶の「ワードローブシリーズ」。洋服をモチーフに作られています。リサは、バスを待っている女性たちを見てこの作品を思いついたそうです。どんな花でも洗練された雰囲気にします。
Episode from Tonkachi
友人へのプレゼントとして購入しました。リサといえば丸っこくて可愛らしい動物のイメージでしたが、ワードローブシリーズは、花を人のように見たてたり、可愛らしいだけでない、リサのまた新しい一面のような気がしていて、個人的にもとても惹かれるシリーズです。お洒落で少しミステリアスな友達のイメージにもぴったりでした。どれが似合うかな、と洋服を選ぶ感覚で選んだのを覚えています。
青のドレスが本当におしゃれに見えて、購入した時の嬉しさを今でも思い出します。まだ実家に大切に飾ってあります。
スウェーデンに旅行に行ったとき、工場を見学してリサの陶器に出会いましたがお金もなくて買えなくて。旅行から帰ってきて、渋谷の直営店に初めて足を運んでみたら、たまたまアウトレットセールが行われていて、その中で一番安かったのがヒビの入ったドレスの陶器でした。本当はネコとかライオンが欲しかったけれど、私はとりあえず「リサ・ラーソンの陶器」が欲しかったのでそれを買いました。やっと買えた、とすこしドキドキしました。家に持ち帰ったときにはネコとかライオンの方がいい、なんてこれっぽっちも思わなかった。ヒビが入っていてたくさん水を入れると水漏れするけれど、その不格好なところもお気に入りになりました。
翌年の母の日に同じドレスの白をプレゼントとして買いました。もちろん新品で!
白い傑作、ポーラーベア
「SKANSEN(スカンセン)」シリーズの「ポーラーベア(しろくま)」。スウェーデンにある世界初の野外博物館「スカンセン」に住んでいる動物たちをモチーフに作られています。どこか微笑んでいる様な表情のポーラーベア。ミニとミディアム、親子で並べてもかわいいですよ。
癒しでつつむ、アザラシ
こちらもポーラーベアと同じく、スカンセンシリーズの「アザラシ」。つるっとした質感で、黒目がちなお顔が愛嬌のある表情のアザラシくん。ミニとミディアムで向き合うように作られているので、ペアにしてもかわいい。手におさまるサイズ感で、ツボ押しにも使えそう?!
猫の完成形、マンズ
「マンズ」は、多くのネコ陶器を作ってきたリサ・ラーソンの「ネコのひとつの完成形」と言える作品。3サイズあってカラーバリエーションも豊富。1番の魅力は、お顔がそれぞれ違うこと。同じブラウンでも、足までブラウンの子もいれば、足としっぽだけ白の子も。
陶器が生まれる港町のボート
「グスタフスベリ」はリサ・ラーソンの陶器がつくられる工房がある歴史ある港町です。 そこを渡るボートをモチーフとして作られたのがこの作品。甲鈑部分が取り外せるので、小物入れやキャンドルホルダーとしてもお使い頂けます。
マイキーのお父様
トンカチとリサがずっと作りたかったネコ、「マイキーのパパ・マックス」。1950年代後半に作られた代表的なヴィンテージ「STORA ZOO CAT」をベースに、リサ自身が2020年代という近未来を生きていくネコを想いながら再びデザインしたのが、この「マイキーのパパ・マックス」。マイキーのシマ模様とは違って、どこか趣のあるシマ模様は、1つ1つスウェーデンの職人の手作り。パパらしく、優しく見守ってくれる表情に、どこかホッと安心します。
Episode from Tonkachi
「STORA ZOO CAT」を見せてもらったとき、「この子はマイキーのパパなのよ」とリサが何気なく言った言葉を聞き逃さず、「なんですって!」と大きく飛び上がって反応した私たちは、それ以来、いつかこの子を作りたいと思ってきました。でも、作品が出来るときっていうのは、本当に偶然の力や縁のようなものが大きくて、作ろうと思っても作れないことも多いのです。この作品もそうでした。それから忘れてしまったくらい長い事、この作品の話は浮上しては流れて、を繰り返してきたのです。ですから、出来上がったときには、本当にできたの?っていう半信半疑の気持ちでした。私たちはこの子から、生まれるものは全て、ものすごい偶然と、ものすごいラッキーのお陰なんだ、と教わったんです。つまり、少しは謙虚になりなさいって言われたんです。
Lisa Larson×TONKACHI
私たちトンカチとリサとの出会いのキッカケはカメラです。トンカチの前身の会社がカメラを作っていて、そのカメラで撮影してくれるアーチストを探していました。しかもカメラマンとかじゃなくて、なるべく写真に縁がない人。でも作品も人物も面白い人じゃないとダメ。そこでデザイナーの佐々木が「この人!」と推薦してきたのが、リサ・ラーソンでした。
私たちはワクワクしながら、すぐに手紙を書きました。リサは「私は陶芸作家なのに、日本から写真を撮ってなんて依頼が来たわ!」と私たちのオファーにびっくりしながらも喜んでくれました。リサは新しいことを喜ぶ、とってもノリのいいアーチストだったのです!私たちがリサに渡したカメラは「ハリネズミカメラ」。そこから色々なことがはじまり、やがて「ハリネズミ3兄弟」となる陶器作品が生まれます。そしてその前に、トンカチのデザイナー佐々木が作っていたのが「私とハリネズミ」というゴフスタインにインスパイアされた絵本。それを見て、私たちは同じことを考えているわね、と言うリサ。全部が繋がっていくのです。トンカチとリサ・ラーソンの特別な関係は、そんな風にスタートしました。
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